吾輩はハリネズミである

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【ライブレポ】UNISON SQUARE GARDEN Revival Tour "Spring Spring Spring" @大阪フェスティバルホール ※セトリバレあり


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UNISON SQUARE GARDEN Revival Tour "Spring Spring Spring"。

 

新年度とともに始まるこのツアーは、UNISON SQUARE GARDENが9年前に行った同名のツアーを文字通り"Revival"、すなわち再現することをコンセプトとしており、このような趣旨のツアーは同バンドにとっては初めての試みである。

 

この記事は4/1の大阪フェスティバルホール公演に参加した著者が、その帰路で作成したものである。

まだ興奮冷めやらぬ状態のまま、備忘録的に記していきたいと思う。

(とか言って書ききれなかったので翌日書き足しちゃった。)

 

 

注意:

この記事ではツアーのセットリストについてがっつり言及するつもりである。

これから参加する方など、セトリを知らない状態でいたい方は恐縮ながらこの時点でUターンして頂きたく思う。(参加したあと覗きに来てくれたらよろこびます。)

 

 

 

 

 

 

 

 

セットリスト

1.フルカラープログラム

2.プロトラクト・カウントダウン

3.23:25

 

4.空の飛び方

5.デイライ協奏学団

6.スカースデイル

7.誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと

8.マスターボリューム

 

9.〈メドレー〉

ライドオンタイム、等身大の地球、MR.アンディ、CAPACITY超える、ワールドワイド・スーパーガール、コーヒーカップシンドロームセンチメンタルピリオド

(ドラムソロ)

ガリレオのショーケース

10.シャンデリア・ワルツ

11.クローバー

12.シュプレヒコール~世界が終わる前に~

13.cody beats

14.オリオンをなぞる

15.場違いハミングバード

 

〈アンコール〉

1.アイラブニージュー

2.サンポサキマイライフ

3.kid, I like quartet

 

 

 

解説・ひとこと(?)感想

会場に入ると、DVDのデザインにもなっている見慣れたSpring Spring Springの文字が黒の背景に浮かんでいた。

 

 

そして、お気付きの方もいらっしゃるかもしれないが、このセットリストは9年前の本家ツアーと文字通り全く同じである。

著者はそちらのDVDを所持していないので比較はできないが、リバイバルツアー1曲ずつの解説とちょっと(ちょっと?)の感想を述べていこう。

ちなみに本家ツアーのセトリも事前に見なかったので、ライブにはまっさらな状態で挑んだ。

 

 

*絵の具~セッション

いつもどおりのSE。絵の具と青の照明は条件反射的に背筋が伸びるし、心拍数も加速度的に上がる。会場が第一音に耳をすませて呼吸も忘れてしまう、けれど静謐で心地よい緊張感が大好きだ。

静寂を破るように始まったセッションは、(著者は)初めて聞いたのに初めてとは思えない、耳馴染みのあるもので、アイワナの入りのドラムみたいな始まり方だった気がする。

何度か口ずさまれるフレーズSpring Spring Spring~♪が印象的だった。

 

1.フルカラープログラ厶

満を持して「お待たせ」の一言から始まったフルカラープログラム。一曲目からやってこられるとセトリへの期待度もぐんぐんあがるもの。

(in the)HOUSEでは終盤に初めて披露された弥生町ロンリープラネットの前、(on the)SEATでは2曲目を任されたばかりの曲である。 

(声出しは感染予防の観点でできないのだが)絞るような叫び声が思わず漏れてしまった。

個人的にフルカラーはイントロから本当に文字通り虹色の曲だと思っていて、聞く度オーロラのような心象風景が想起される。

いつまでも完全無欠のロックンロール。

 

2.プロトラクト・カウントダウン

「君を泣かせる世界のほうがおかしいよ」「こんな時代に生れ落ちたんだ」

「一方的に状況は膠着が続いています」

「止まらない カウントダウン」

初期のUNISON SQUARE GARDENの荒削り感があって、最近ではあまりない曲調かもしれない(こういうのも大好きです)。

疾走感とともに感じられる緊迫感は、このご時世にも通じて来るところがあるように感じた。

都度触れるつもりだが、このセトリは全体的に、9年前のとは思えないほど今の我々に響いてくるフレーズが多い。

 

3.23:25

アンコールなど終盤の盛り上げを任される印象がある定番曲だが、最初のブロックの〆に組み込まれていた。こちらも(in the)HOUSE2で披露されたし、前日のSaucy Dog主催の対バンでは4曲目を飾ったばかり。もう結構熱が高まってきているのか、アウトロは向かい合ってバチバチに決めていた3人だった。

 

MC

23:25から暗転、間があって短いMC。斎藤さんがこのツアーは"完全再現"ツアー(セトリが全く同じ)であることを高らかに宣言して次のブロックへ突入。

 

4.空の飛び方

「暗すぎる世間ですが 光はまだあるようだ」

「僕らの時代ですな なら、もう苦しゅうない」

BSSSではもう今後聴けないかもしれない…と思っていたのだが、案外早く再会することができてウキウキしてしまった。イントロは泥臭いロックって感じがするのに歌い出したら爽快なメロディなのずるい。といつも思っている。

 

5.デイライ協奏学団

抜け感が癖になる一曲。メロディはぽよんぽよんしているのに負の感情を昇華させたみたいな歌詞が絶妙にマッチしている。ダイヤモンドを壊して世界中に散りばめる女の子って、ワールドワイド・スーパーガールに通ずる魅力があるよなあ。ギターソロの1フレーズをスロウカーヴは打てない(that made me crazy) のイントロにアレンジしていた。MMMツアーぶりの演奏だろうか。

 

6.スカースデイル

「今を過去にするような 二人だけの明日を作ろう」

「日々の大切さを見つけるんだ」

斎藤さんにピンライトがあたり「消えない地図が描けたなら」とギターと歌だけの1フレーズから始まっていたように思う(この曲だったか、既に曖昧で申し訳ない…)

スカースデイルは(in the)HOUSEで1番の弾き語りアレンジで披露されて以来。

 

7.誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと

「愛している それだけ それだけで十分です」

「不安もあるけど希望もある」

会場のボルテージがまたひとつ上がるのを肌で感じた001。「大事なことは 最初からある」の裏でコーラスを歌う田淵がのびのび腕を広げるのが大好きすぎる。曲全体がポジティブな歌詞なのもあるが、新たな環境・出会いを迎える春、すなわちSpringにぴったりな1曲といえるかもしれない。大人気のカップリング曲だが、BSSSツアーでは組み込まれずFC限定イベントBSSS0でのみの演奏だった。(on the)SEATで4曲目に選ばれていた曲。

 

8.マスターボリューム

「混沌の一言じゃ すべてを片付けられないだろ」

「でも最新の物差しは僕には関係ない」

これも(in the)HOUSE2ぶり。MVを再現したような1カメ撮影の演出が記憶に新しい。大サビ前の唸り方とか、今の斎藤さんが歌うとまた音源とはだいぶ違った印象になる。この曲だったか、ステージ端の下部のライト1本で斎藤さんを照らし上げていて、会場の壁にシルエットを映し出す演出がめちゃくちゃかっこよかった。

 

MC

ここで暗転してMC。このツアーは自分たちとの対話でもあると話していた。9年前のユニゾンを知ってた方いらっしゃいます?という呼びかけに、著者が見た感じ全体の10%にも満たないくらい(もっと少ないかも)の手が上がった。同じセトリを9年越しに体験するってなかなかにすごい経験だと思うのだが、感想をぜひ聞いてみたいところだ。

次に控える約20分のメドレーを前に、当時の自分も再現しちゃおうかなと言った斎藤さん。

「付いて来れる人は付いてきて頂戴!」と、手拍子もコールも煽らないUNISON SQUARE GARDENが今や絶対言わなさそうな勢いあるセリフとともにメドレーに突入した。

 

9.〈メドレー〉

イントロから1番サビ終わりまでを、途中ドラムソロを挟んで8曲。

 

ライドオンタイム

「コマが揃う 足も動く それなら準備オッケーじゃん」

「大丈夫。まだ生きてるよ」

(on the)SEATぶり。初手のドラムから跳ねてしまう。最近は頻繁とまでは行かなくともまたちょいちょい聴ける機会が増えたように思う1曲。

 

等身大の地球

3人の頭上でミラーボールが輝いていたのが印象的。黄色の照明、曲の多幸感も相まってついつい踊らされてしまう。fth7のイズミカワソラさん公演ぶり。

 

MR.アンディ

「人一人を笑顔にするくらいならできるよ、存外に」

「今の世界を少しだけ楽しくできるよ、存外に」

これもまた踊らされてしまう曲。会場がダンスフロアに変わったような錯覚にすら陥る。前向きとも後ろ向きとも断言できないような曖昧な歌詞が大好き。MR.アンディも"少しくらいの幸せ運べる力持ち"なのかも。

 

CAPACITY超える

寝ても覚めてもおんなじ景色なら どうすりゃいいんだよ」

雰囲気がガラリと変わってCAPACITY超える。退廃的でアーバンな雰囲気ってかっこいいいですよね。メドレーだと"大嫌いなあのユニゾンスクエアなんとか"が聴けないのが惜しい。

 

ワールドワイド・スーパーガール

「せっかくですからワールドワイドの テンションでガタガタ騒ぐ」

またも雰囲気が一変。今度はエネルギッシュな楽曲が来た。もう一回、と大サビ同様おかわりする構成。カウントダウンライブ以来の披露。

 

コーヒーカップシンドローム

「雨の日が続いたせいでいよいよ一人ぼっちになったティンカーベル

JET.COのトゲトゲ曲代表みたいな曲。こちらはNormalぶり。

 

センチメンタルピリオド

「そしてひとつずつを踏み締めてる そのスタイルはどうでしょう」

短めのセッションを挟んでのセンチメンタルピリオド。カウントダウンぶり。今や聴ける機会はそう多くないけれど、9年前とかだったらもっと頻繁にやっていたんだろうか。フェスとかでやっていたイメージがある。

 

ドラムソロ

「俺も再現しちゃおっかなー」の一言から始まったドラムソロ。

もともとの手数の多さにストロボ発光みたいな照明も相まってほぼ手元は目で追えなかった。今の貴雄さんのドラムソロのほうが緩急はっきりしている印象だけれど、これもやっぱり阿修羅だった。

 

ガリレオのショーケース

ドラムソロが終わって両脇から2人が登場。ここのギターソロの御三方、感情が爆発したみたいな演奏をしていてめちゃくちゃ楽しかった。

 

10.シャンデリア・ワルツ

「ちゃんと名前もある 譲れないものもある」

ガリレオでヒートアップしたところにシャンデリア・ワルツを持ってこられたらテンションが上限値まで振り切ってしまう。ぴょんぴょん飛び跳ねる人が続出したみんな大好き定番曲。こんなん誰だってゴリラになるで。

 

11.クローバー

「君がここに居ないことで あなたがここに居ないことで 回ってしまう地球なら 別にいらないんだけどな」

(on the)SEATでトップバッターを飾ったクローバー。ゴリラになっても、この曲のイントロが流れてきたらすっと聴く体勢が整うから不思議だ。会場も聴き入るように身体を揺らしていた。

最後のアルペジオ的なアレンジはなしで、原曲と同じような締め方。

 

12.シュプレヒコール~世界が終わる前に~

「でも今世紀には 今世紀のやり方がある」

「エメラルドが無意識にゴミ箱へ」

「何度でも何度でも ここに立って、そして あなたの名前を呼ばなくちゃ 夜が明ける前に」

「声が枯れても繰り返さなくちゃ 世界が終わる前に」

クローバーから"聴かせる"曲が続く。この曲がもともと持つ切実な叫びが心に刺さって思わず泣いてしまった。"名前"がテーマになっている「CIDER ROAD」の一つ前、3rdアルバム「Populus Populus」を締める一曲であるが、この曲も存在証明のようにあなたの"名前"を呼ぶことをやめない。たとえ声が枯れても。

fth7最終日以来の披露とのこと。

 

13.cody beats

「夜が明けないのを 誰かのせいにして 僕は君を見失ってた」

これは舞洲ぶり?UNISON SQUARE GARDENにしてはちょっと珍しい"直球です"、みたいな素直さがいじらしくて好きな曲だ。MVのエレベーターみたいに、暗い海の底からどんどん上昇していくようなひたむきなエネルギーを感じる。

 

14.オリオンをなぞる

「ココデオワルハズガナイノニ」

Normalで2曲目を飾ったのオリオンが本編ラスト2番目で登場。みんなこれが好きなんでしょ?って言わんばかりのいいポジションに組まれている。はいそうです、私も好きです。

そういえばタイバニは2022年に続編シリーズが決定したけれど、harmonized finaleで最後って言ってたしアイワナも作っちゃったしその主題歌の担当はしないのかな、とずっとそわそわしている。またシュテルンビルトにユニゾンの音楽が鳴ってくれたら嬉しい。

 

15.場違いハミングバード

毎度ながらステージを駆け回る田淵が印象的で、左右だけでは物足りないのかドラム台のまわりをくるくるしていた。

いつの日か斎藤さんが言っていた「田淵は止まったら死んじゃうマグロなんでしょ」を思い出してちょっと笑ってしまったけど、こんな爆発的なイントロだったら走っちゃうよなぁ。

4/1だったので"エイプリルフール"がとてもタイムリーだなとかなんとか。

 

 

本編が終了し一旦はけた後、拍手に応えて再び登場した3人。

 

MC

斎:このツアー結構長いよね?

田(めちゃめちゃ頷く)

斎:何月だっけ?

田:(指で5、と答える)

斎:あー5月かー。長いよね。…おれ襟足伸ばそっと。

(笑い。田淵の笑い声も拾われてた)

斎:貴雄も髭と髪つなげるのやってみる?

鈴: (スタッフさんとセッティング中でしゃべれない)

斎: (鈴木を見て笑う)

鈴:いやぁ、ドラムも再現しようと思って。

 

シンバルの位置は今のほうが低い。というより、セッティングしていたシンバルが顔の高さと同じかちょっと高いくらいだったから、当時が高すぎたって言うほうが正しいんだろうな...

記事の冒頭で引用したユニゾン公式Twitterの写真にもドラムセットが写っているのでよければ見てみてほしい。すぐ分かると思います。

あとセッティング中だったか、35歳のお腹出てる!出てるよ!とくすくす笑っていた。貴雄さん曰く"サービス"だそうで。

こんなやりとりが繰り広げられていたものの、やはり叩きづらいのか、曲の直前でちょっと位置を下げていたような。それを見てか斎藤さんが歌い出しで笑ってしまっていた。

 

1.アイラブニージュー

「つまり今夜のライブも最高ですわ」

MMMツアーのカオスなイメージが強すぎるのだが、今回は通常運転。ギターソロで田淵と斎藤さん2人が接近してやっぱりバチバチにやっていた。ギターソロで前に出すぎて「噂の」に間に合わない斎藤さん、しっかり確認しました。

 

2.サンポサキマイライフ

「くだらない? それなら笑ってよ」

(in the)HOUSE 2ぶり。うねうねしたイントロからハイ!の一言で会場まだ熱を隠し持ってたんかいというくらい盛り上がっていた。ギターソロの斎藤さんめちゃくちゃ楽しそうに演奏するので見ていて気持ちがいい。

 

3.kid, I like quartet

ラスト!の掛け声から始まった喜怒哀楽。こちらはfun time HOLIDAY ONLINEぶり。ユニゾンの3人も、会場も、残り全部出し切るみたいな演奏と盛り上がりで有終の美を飾った。as you like!でスパッと気持ちよく去っていくのがかっこいい。

そういえば帰り道、ホール近くの川沿いの夜桜もとても綺麗だった。

 

 

 

全体の感想・まとめ

「このツアー、楽しいな」

MC冒頭で斎藤さんがちょっとはにかみながら言っていた。

ツアー直前のブログで田淵は

「驚きもクソもないライブ」

とこのセットリストをダサいとか苦しいとか書いていたけれど、9年前に戻った気持ちになったと言っていた本人たちだけでなく、初見の著者でもやいのやいの楽しめたのだからめちゃくちゃいいライブだった。

昨今のB面ツアーやオンラインライブなどでレア枠の曲や何年も前に発表されたものの披露されたことのなかった曲などを結構回収していたからこのツアーで久々の演奏になった曲はそんなになかった。

それでもなおレア枠に変わりない曲たちが聴けてお得感があったし、なにより田淵があまり好きじゃないとか恥ずかしくなるとか言って何年もお預けになっていたJET.COの曲を聴ける機運がこのごろ高まって来ているのはファンとして嬉しい。

会場について、感染対策のために座席は一つ飛ばしで座ることになっていたのだが、その分ひとりあたりの使えるスペースも広くてよくユニゾンが言っている「自由に楽しむ」が実現しやすい環境だったと思う。自分の見たい景色に没頭することも、のびのびと身体を揺らすこともできて、これは逆にメリットなんじゃないだろうか。

内容に関しても、もとよりUNISON SQUARE GARDENの曲はキラーフレーズがたくさん仕込まれたものだらけではあるのだけど、9年前のとは思えないくらい”今”の私たちに響いてくるセットリストだった。

現状への不満や虚しさを私たちに代わって言葉にしてくれて、でも生きろよ、とぶっきらぼうに背中を押された感じ。

なにより画面越しではなく目の前に3人がいて、イヤホンではなく直接身体で音楽を浴びて、ユニゾンは本当に生きていたんだ!と感動したのと同時に、ああ、私も生きていたんだ、と気付かされた。

オンラインライブにもそこにしかない楽しみ方や醍醐味があって好きだ。晩酌しながらとかごろごろしながらとか、自宅だから人目を気にせず見られるし、音響や映像の環境をそれなりに整えておけば満足のいく音楽体験も十分できるだろう。

でもやっぱり全身で音楽を浴びるのって良いよなあ、と私の生活には"生"を確認する対面ライブが欠かせないことを実感した1日だった。

現役大学生が思う一人暮らしの家具家電

「春爛漫」の写真

春。入学や卒業、就職など出会いと別れの季節。

それに伴い新たな地での一人暮らしを予定している方も多いのではないだろうか。

 

ちなみに、著者も大学入学とともに一人暮らしを始めることになったのだが、合格発表が3月に入ってからだったのもあって、遅めに家具や家電を買うことになった。

家具はほぼニトリで揃えたのだが、人気のものはもうすでに予約でいっぱいだったり売り切れだったりでわたわた苦戦した記憶がある。それでも人気色でなければかろうじて在庫があるなどで何とか買うことができ、地元は人口がそんなに多い都市ではなかっただけに救われた…と胸を撫で下ろしたのを覚えている。

 

今回は現役大学生で一人暮らしをしている著者なりに、家具・家電について「これは必要」「そうでもない」と生活の中で思ったものをいくつか挙げていきたいと思う。

言うまでもなく必要なものは挙げていないが、書いておきたいことがあるものは記したつもりだ。

この記事が春から一人暮らしを始める方、何を揃えればいいか悩んでいる方の参考になれば幸いである。

 

 

 

 

はじめに:著者の生活スタイルについて

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私は先述の通り大学生である。

・日中は授業orサークル活動(現在はコロナの影響で個人活動)

・外食は月一回くらい

・ご飯はほぼ自宅で食べる

・コンロひとつ

・洗濯機は自室にある(コインランドリーなど共用ではない)

・二日に一回のペースで洗濯

・ときどき友人が遊びに来る

というスタイルで過ごしている。

 

ちなみに、自炊に関しては元々料理ができないので大学生でもやらないだろうと最低限の環境でいいと思っていたのだが、その予定が変わったため今は少々不便を感じることもある。ほぼ自宅で食べるけれど、週1くらいはインスタントで済ませている。

著者がこのような生活スタイルであることを念頭に、ご自身の考えられる新生活と比較しながら読み進めていただければと思う。

 

 

 

絶対いると思うもの

■

大きめの冷蔵庫

冷蔵庫を買わない人はいないと思うが、サイズは大きめのほうがよいと考える。

よく自炊する人はもちろんだが、そうでなくてもヨーグルトや納豆、作り置き、冷凍食品など、定期的にやってくる”料理する暇も気力もない期”のために自炊せずともすぐ食べられる食品はストックしておいたほうがいい。大抵そういうときは外出するのもままならなくて食事を抜いちゃおう、という思考に至るので家の中に用意しておくのがよさそうだ。大学生になると料理を疎かにしがち。あと、1人だと料理や材料が中途半端に残ってしまうこともあるので、冷凍して保管することが多い。

 

電気ケトル

下宿にはコンロが1つしかないところが多い。お茶やコーヒー、カップラーメンやインスタントのスープなどお湯を沸かすタイミングは日常的にあるので、コンロを確保するためにも電気ケトルがあると便利。

 

電子レンジ

超大事。レンジだけで調理が完了するレシピがありやはりコンロの確保になるし、冷凍食品の解凍や作り置きの温め直しに不可欠。

 

タッパー

自炊する人向け。作り置きの保管はもちろん、台所は狭いことが多いので切った野菜を一時的に置いておくのにも便利。多めに切りすぎたと思ったらそのまま冷蔵庫に入れられるのも便利。

 

多めの皿

洗い物をためてしまうとすぐ食器がなくなる。だがやはり”皿を洗う暇も気力もない期”というものが存在するため、洗わなくても食事にありつけるような環境があると楽だ。忙しいときやお腹がすいているときは気持ちに余裕がなくなるものだ。

また、一人暮らしなので大きめの皿はそんなに必要ない。平皿や深皿など、種類はいくつかあったほうが便利。

 

インスタント食

超大事。作る気も食べに行く気もない~となったときに最低限の時間と手間で空腹を満たせるのでストックしておくのがいい。レトルトカレーやスープ、カップラーメンなど。毎食食べるとかしない限り身体に悪いものではないし、食べないよりはずっといいと思っている。あと、フルーツグラノーラなど長めに保存しておける食糧もあるといいだろう。

 

多めのハンガー

一人暮らしだと一日の洗濯量が少なく、何日かに一回の人も多い。あるいは、友人でコインランドリーを利用している人がいるが、コスト節約のため利用回数を減らしているという話を聞いたことがある。要はまとめて洗濯することが多く、それらを干すためにハンガーは多めに必要になるということである。

 

ホワイトボード・メモ

一人暮らしをしていると、こなすタスクの数がなかなか多い。忘れてしまうと大変なものもあるのでメモを取るのがいいと思うが、頻繁にタスクを追加したりこなしたりしているとメモをなくしてしまうこともあるし紙も勿体ないのでホワイトボードを使うと結構便利だ。

 

 

 

あったらいいかも・なくても大丈夫

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オーブントースター、オーブンレンジ

料理が好きな方向け。料理の幅が一気に広がるけれど、自炊をそんなにしない人ならいらないかも。下宿の台所は狭いので、スペースをとるものはあまり置かないのがよい。

 

たくさんのコップ

入学祝などのプレゼントや一番くじの賞など(?)、コップはなぜか多くなりがちだが、頻繁に割るわけでもないからたくさんはいらない。友人が遊びに来たときなどには複数個必要になるが、紙コップなどでも代用できるので少なめでよさそうだ。

 

プリンター

そんなに使わない。生協などでも使えるので家になくてもいい。ただしオンライン授業などでプリントは各自印刷、とかだったら断然あったほうが便利

 

テレビ

ネットやアプリなどでニュースは確認できる。ドラマやアニメも放送からしばらくなら公式無料配信サイトで見ることができる。案外テレビを見る時間はないもので、友人でもテレビのない人や、あるけど何か月も見ていないという人が著者のまわりには結構な割合でいる。

テレビが趣味という方、受動的にでもニュース見る習慣が大事と考える方やゲームのモニター替わりにしたい方、録画しておいて期限を気にせず見たいという方向けだと考えている。

 

マット系

玄関、台所、トイレなどにマットを敷く方もいらっしゃるかもしれないが、特に理由がないなら買う必要はないだろう。汚れたときにサッと拭いたりモップ掛けをしたりのほうが時短になるし衛生的だ。洗濯の手間も省ける。

 

掃除機

著者はいまのところクイックルワイパーなど市販のモップなどで事足りると思っている。でもカーペットを敷く予定など、モップじゃ掃除できなさそうなら買うべし。買うならちょっといいものにしたほうがよさそう。安すぎると吸い込まないとか吸ったものが排気口から出るとか、掃除できているのか不安になるものもある。

 

ベッド

ベッドが必要ないのではなく、ベッドという形にこだわらなくていいという考えから。万年床にしないなら布団にして部屋のスペースを確保するのもアリだと思っている。ただ、ベットであれば下に服などの収納もできるので好みの問題である。

 

 

おわりに

屋根裏部屋, 古い, 過去, はかなさ, 放棄された, Pforphoto, アンティーク, ヴィンテージ

いかがだっぢろうか。

著者は特に食事には注意を払っているつもりだ。

というのも、高級食材を使っている、とかそういう意味ではなく、減らさない・欠かさないように、という最低限はキープできるようにするという意味だ。

著者は生活の中で「一人暮らしはモチベーションが下がるとすぐ食事の量と質が悪化するもの」であることを学んだ(自分に限らず周りの人間もそのようである)。しかも金欠に陥ると、最初に削られるのは娯楽費より食費だったりする。

食事は体調やメンタルに直結するもの。おろそかにするのは好ましくない。

とは言え、時間がなかったり疲れがひどかったりすると、そこから料理を作って洗い物をして...と考えるだけでも億劫になるもの。しかも他の家事や仕事、学業をもこなす必要がある一人暮らしではこういう「今日はがんばれないよ~」な虚無虚無デーは意外と少なくない。

モチベーションがないときこそ簡単に食事にありつけるように気を付けている。

ライフスタイルはひとそれぞれであるから、参考にまではならなくとも選択肢や考え方のヒントにでもなれば幸いである。

 

穏やかな日常を丁寧に描くドラマ『きのう何食べた?』

恋愛ドラマ、と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。

 

white and yellow flowers on book page

 

高校生同士の胸キュンもの、大人の駆け引き、あるいは初めから終わりが見えていた悲恋...

結ばれる過程、関係の終わりを扱うようなストーリーを連想する方が多いのではないかと思う。

 

 

しかし、ここで紹介するドラマ『きのう何食べた?』はそのどちらでもない。

 

シロさんとケンジの二人がただただ穏やかな日常を送るのを、主にシロさんがつくるご飯にフォーカスしながら丁寧に描いた作品だ。

 

www.tv-tokyo.co.jp

 

著者は見始めたのは今年に入ってからだが、当時から放送後にはTwitterのトレンドを賑わせる人気ドラマで、続編も製作された。

今回はこのドラマの簡単な紹介と見た感想を記事にしたいと思う。

 

 

 

主人公たちはどんな人?

二人は男性であり、同居する恋人同士でもある。

西島秀俊さん演じるシロさんは弁護士をやっていて、几帳面でお金の管理に厳しい。

スーパーの特売情報をしっかり把握していて、一円でもお得に食材を購入することを日課としている。仕事も丁寧なので料理がとても上手。

マメなのはいいところだけれど、その分気付きすぎるから人より疲れそうだなぁとも見ていて思う。実際そんな描写もある。難しい顔をしていることもしばしばだけど、ケンジの頑張りにもすぐ気づくし感謝を素直に伝えるので、ケンジがベタ惚れしちゃうのも頷ける。

 

一方、内野聖陽演じるケンジは美容師をやっている。天真爛漫という言葉が似合い、まっすぐ育ってきたんだなぁという感じ。でも人の気持ちには敏感だし、傷つきやすいところがある。自分の気持ちに正直で嘘はつけない。シロさんが倹約家なのに対し、ときどきコンビニでついハーゲンダッツを買っちゃう。さりげない気遣いが得意。内野さんの演技力も相まって、思わずかわいい~!と言ってしまうくらいかわいくて、なかなかファンの多そうなキャラである。

 

 

cooked dish on gray bowl

 

ドラマではほぼ毎回、少し早めに帰宅するシロさんが料理を作ってケンジを迎え、共に食卓を囲むシーンがある。

「同じ釜の飯を食う」とは苦楽を共に分かちあった親しい間柄のことを言うが、まさにシロさんとケンジはそれに当てはまる。同じご飯を食べて感想を共有しあえる人がいるのは、一人暮らしの著者からしたらとても羨ましいことだ。

 

ドラマはプラトニックな描写がほとんどで、シロさんもケンジも互いに尊敬しあっていて心から繋がっているのだが、二人の暮らしには性的マイノリティゆえに世間からの障害や偏見、無理解がついてまわる。

そういった決して優しくない現状からも目を逸らすことなく、しかし、辛辣になりすぎないように描かれているところにも匙加減の絶妙さが感じられる。

二人が悩みに悩んでも自分たちなりの答えを出していく姿には見ているこちらすらも勇気をもらう。

 

 

 

 おすすめポイントは?

シロさんやケンジも素敵なキャラクターだが、彼ら以外にも魅力的な登場人物がたくさんいる。個人的には"ジルベールワタル"が最高にいい味を出していておすすめだ。

ちなみにジルベールとはこの金髪美少年のこと。BL初期の金字塔と言われる竹宮恵子さんの『風と木の詩』の主人公である。では"ジルベールワタル"は...?ぜひ作品の中で答え合わせしてみてほしい。

www.shogakukan.co.jp

また、こちらも嬉しいポイントだが、シロさんたちが作る料理はレシピを丁寧に教えてくれる上に、手頃に作れるものが多い。見ているだけでお腹がすきそうな数々を自宅でも再現できる。公式のレシピ本も販売されているのでそちらも参考になるだろう。

 

 

 

最後に

きのう、何食べた?』は人との接触が減ったり一緒にご飯に行くハードルが上がってしまったりのコロナ禍だからこそ見たい作品だ。人との関わりはやっぱり大事だし、一人でもご飯を食べるのはとても大切なことに変わりない。

心にも目にも栄養になってくれること間違いなし。

 

原作は『大奥』などで有名なよしながふみさんの漫画である。『モーニング』で連載中で、現在17巻まで出ている(2020年8月発売)。

 

2021年公開予定の映画にもなるそうだから、今後も目が離せない。

 

www.toho.co.jp

永遠のテーマ「結婚」と、「赦し」 大学生が見たBBC版『高慢と偏見』

 

 

 

 

まえがき

突然だが、私は週刊誌などが報じる芸能ニュースが苦手だ。

 

結婚・出産はライフイベントの中でもとりわけ幸せなことだ。これらのニュースは聞くだけで反射的におめでたいと感じる。けれど、友人でも知人でもない人たちの結婚やお子さんに抱く感情はそれ以上特にない。芸能人に詳しい方ではないから、夫婦どちらも知らないことすら結構あって、本当に自分から遠いところで起きる出来事って感じがする。

 

ただ、さすがにそれだけでは芸能ニュースが苦手とまでは言わない。やはり相応に苦手だと感じる理由がある。

 

それはまず、急にヘビーな表現だけども、

芸能ニュースには他者の”悪事”を晒し、一方的に裁き、それを赦されないものとして世間の憎悪や嫌悪感を煽り立てる面があると考えているからだ。

 

人は愚かである。不完全である。故に過ちを犯すこともある。

私たちはそのことを知っているはずであるし、自分だって例外でないことも分かっているはずだ。

なのに、対象が他人になった途端にそれは認められないものとなる。

世間に広く知らしめ轟轟に非難し、時には自分が被害を被ったかのように理性を失い、人格を否定する言葉まで吐き出す。ニュースには読者や視聴者のこのような行為を肯定し煽るかのような文面が並ぶ(少し前でいえば複数女性との不倫がバレた某芸人なんかが分かりやすい例である…)。まるで芸能人には人権がないみたいだ。けれどこれも”有名税”の一言で片づけられてしまうのだろう。

確かに、誰かを悲しませたり被害に遭わせたりすることは悪いことだ。傷ついた人の気持ちを軽んじることも決してしない。しかしそれは、絶対に、今生、赦されないほどのことなんだろうか。なにより、完全に外野の私たちに、出しゃばって赦されるかどうか決める権利があるのだろうか。

 

 

もちろん、芸能ニュースはここまでのような不祥事がすべてではない。けれどそのようなニュース全般に言えることがある。

それが第二の理由として挙げるものだが、そもそも基本的に芸能ニュースが取り上げることは本質的にどうでもいいことだらけだからだ。

上で挙げた結婚、出産、不倫、浮気、離婚騒動、個人の範疇の不祥事も言ってみればそうだ。

芸能人の学歴、出身校、恋人の有無、年収、身長... 他の芸能人との不仲や過去の整形などにも触れるものもある。

からしたらそんなことを知ってどうしたいんだろう、という気持ちにしかならない。政治や経済、ローカルなどの他のニュースと違って、知っても自分の身になにも影響が生じないことがらであるからだ。

 

 

総じて、芸能ニュースが好きではない著者の心の声をざっくりまとめると、

「なぜ赤の他人のステータスがそんなに気になるの?

なぜ赤の他人の事情に首を突っ込んであれこれ言いたいの?」

の二つに大別されるのである。

 

 

 

 

...長々とやや毒気づいた前置きをしてしまったが、ここで本題に入っていきたいと思う。

 

 

 

先日、BBC版ドラマ高慢と偏見を視聴した。原作はジェイン・オースティンの同名の小説である。

 

www.bbc.co.uk

 

あらすじとしては以下の通りだ。Wikipedia の記載であるが、長いのでその冒頭のみを引用する。該当箇所はネタバレには配慮してある。

 

あらすじ

舞台は田舎町ロンボーン。女ばかり五人姉妹のベネット家では、父親のベネット氏が亡くなれば家も土地も遠縁の従兄弟の手へと渡ってしまう。ベネット氏は書斎で好きな読書と思索にふけって自分が楽しんでいられればいいと我関せずの態度だが、母親のベネット夫人は娘に金持ちの婿を取って片付けてしまおうと躍起になっていた。

そんな折、町に独身の青年資産家ビングリーが別荘を借りて越してきた。ベネット夫人は早速娘を引き合わせようと舞踏会の約束を取り付ける。美しい長女ジェーンとビングリーが印象悪からぬ出会いをする一方、次女エリザベスはビングリーの友人で気難し屋のダーシーが自分の事を軽んじる発言をするのを聞いてしまい、その高慢さに反感を抱く。その裏でダーシーはエリザベスの瞳に宿る知性の魅力に知らず惹かれ始めていたが、プライドの高さが災いして、格下の家のエリザベスと打ち解けられない。

 

お察しの通り、そろそろ結婚がプレッシャーになってくる年頃の男女が複数登場して、あの人が金持ちらしいとか結婚するとかしないとかでドタバタするありふれまくったテーマの恋愛物語である。

 

登場人物はなかなかに多いし、結構関係が入り組んでいる。見ながらメモを取っていたのでその写真を以下に添付する。

ネタバレにもなりかねないので、避けたい方はスキップするか、(肝心の関係性に関しては一応薄字で書いたので)細目で見るかしてほしいと思う。

 

 

 

 

関係図


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こんな感じ。これでもまだ書き足りない部分がある。なかなかカオスだ。自分が主人公のエリザベスだったら世間狭いなって思うだろうな。

 

以下、この人間関係の中で結婚をめぐってドタバタする恋愛物語を見て考えたことを記す。

 

 

 

考えたこと

結婚は不変の関心事

物語の舞台となった18世紀末のイギリスも、現代を生きる私たちも、結婚は人生最大の関心事の一つのようだ。

当時ほど家柄や相続の問題は重要じゃなくなったけれど、結婚が共に家庭を築き長い余生を過ごす相手を決める行為であることに変わりはない。

ただ、冒頭の芸能ニュースの例みたいに他人の結婚や離婚すら気になる人が一定数存在するということは、結婚そのものが興味をそそる事象なんだろうとも思う。

それは結婚とかまだまだ先のことだよねー、と楽観的に構えている大学生の著者には想像する他ないが、親から「結婚はまだなの?」とか「早く孫の顔が見たいわー」とか言われるようになってきた世代の方々からしたら、むしろ関心を持たずにいることのほうが難しいんじゃないかとも思っている。いや、想像なので実際に言う親御さんが存在するのか知らないけれど...(ドラマの見過ぎ?)

 

 

 

永遠のテーマ:イケメン・お金持ち vs. 人格者

物語には、エリザベスをめぐって三人の男性が登場する。

 

ダーシーは容姿端麗で超が付くほどのお金持ちだ。だがいつも気難しい顔つきをしていて近寄りがたいオーラがあるし、エリザベスとしては初対面でダンスを断られたり自分の容姿を「許せないことはない 特別な魅力はないが」と話しているところを聞いてしまったために、自分を蔑んでいる最低な男だという印象を持つことになる。

特別な魅力はない、とか言われたら女性のプライドは傷つくだろうな...。

 

コリンズは容姿に恵まれているとはあまり言えないし、悪人ではないけれどあからさまなお世辞や表面的なふるまいが目立つ。要はちょっと薄っぺらい人間って感じがする...。

ただ、彼は地域の教会を任された牧師でそこそこ収入はあるし、当時のイギリスの資産制度ではベネット氏(エリザベスの父)の死後土地や家などすべての遺産を相続する立場である。

 

ウィッカムは軍人でさほど収入はない。しかしハンサムで人当たりのいい性格をしているようだ。それに紳士的なふるまいで、エリザベスの気持ちにも共感してくれる。

エリザベスは「心から愛せる人としか結婚しないわ」と言っていたくらいだから、収入を考えないなら三人の中で一番可能性があるかもしれない。

 

コリンズに関しては序盤で決着がつくのでネタバレをしてしまうが、彼は選ばれなかった(というか、彼のその後の展開が意外でびっくりした...)。

 

つまりエリザベスは、

お金持ちイケメンだけど性格最悪男と、お金はそんなにないけど紳士なイケメン、どっちを選ぶの?!改め

結婚相手、ステータスが大事?中身が大事?

という究極の二択を迫られることになるのだ。

 

 

ベネット家の中でもその答えは結構分かりやすく割れている。

ベネット夫人や五女のリディアはステータス派。お金持ちとかイケメンと結婚することが幸せ。

エリザベスや長女ジェーン、ベネット氏は人格派。誠実で賢明な人と結ばれることが幸せ。

ちなみにジェーンといい感じの関係にあるビングリーはお金持ちでもあるけど絵に描いたような紳士だ。というか、ベネット氏とベネット夫人が夫婦なのが不思議に思えてくる...。

 

脱線したが、ステータスと中身どっちが大事問題は今も答えが人それぞれ分かれるし、きっとこれからも永遠のテーマなのである。

 

 

 

 

三宅香帆さんの本を読んで思った「赦し」

ダーシーは先述の通り気難しいし、エリザベスも実は偏見で物事を判断しがちである。

ベネット氏は折角のインテリジェンスを妻への皮肉くらいにしか生かせていないし、夫人はすぐ感情的になったり下世話な発言をしたりする。

ジェーンはちょっと気が弱いところがあるし、メアリーは時々空気が読めていないときがある。

 

つまり、お気付きの通り、

 『高慢と偏見』の登場人物には、完璧な人間がいないのだ。

 

 

ところで、三宅香帆さんが書かれた『人生を狂わす名著50』という本をご存じだろうか。当時京大院生の書店スタッフをされていた三宅さんが書いた、2016年の年間はてなブックマーク数ランキング二位にもなった記事をもとにした本であるからそちらを読まれた方もいらっしゃるかもしれない。

 

実は、『高慢と偏見』はその50冊のひとつに選ばれている。

cakes.mu

 

私はこれを読んで、なるほどと思ったことがある。

それは、記事のタイトルにもなっているが、「人間の失敗を、ユーモアをもって微笑む」ことって意外と難しい、ということだ。

 

小説によって養われる知性とか教養というものが人を豊かにするとすれば、きっと、そういった何かを許せる笑い方を身につけるから、なんだろうと思う。

 

やはり人は愚かである。不完全である。故に過ちを犯すこともある。 

自分も例外でないことを知っているはずだが、他人の過ちには嫌悪感を抱いたり、特にそれが自分に不利益をもたらすとき赦せないという気持ちになったりする。

 

だが、『高慢と偏見』は、それらを笑い飛ばす強さを持っている。

ベネット夫人また突っ走ってるなあ、とかコリンズさんはごますりもっと自然にやればいいのに、とか思わず吹き出してしまう。

現実でも他人の過ちを笑えるようになったら、それは豊かなことだろうなと思うのだ。

 

 

 

感想

ダーシーとビングリーを演じる俳優さんもかっこよかったしジェーンの女優さんがとびきりの美人さんで、普段あまり洋画を見ない身としてはイギリスの方って素敵...という感慨も深かった。

”芸能ニュースどうでもいいマン”の著者は、初めはお隣さんの年収がウン万ポンドとか顔がいいとかでワイワイするこの作品を斜に構えて見ていたのだが、結局エリザベスは誰と結ばれるんじゃい!と気になって最後まで見てしまった。面白かったです、降参...。

 

でもやっぱり、他人の欠点や間違いを愛を持って笑うってこういうことなんだ、と教えてもらえたのが大きい。赤の他人のステータスを気にする人たちも、被害者でもないのに赦せないと言っている人たちも、今はくだらないなあと思ってしまうけれど、それすらも笑えるようになってみたいと思っている。

難解? アニメ『血界戦線』の面白さにようやく気付いた話

シュガーソングとビターステップ

突然だが、著者はUNISON SQUARE GARDENというロックバンドが好きだ。

彼らのことをよく知らないという方でも、この曲は耳にしたことがあるという方はいるかもしれない。

www.youtube.com

 

多幸感溢れるかわいらしいメロディと苦い現実も織り込んだ歌詞が特徴の大ヒットナンバーである。

この曲は血界戦線というアニメのEDに起用され、ユニゾンがそれまでより多くの人に”見つかる”きっかけにもなった。劇中のキャラクターたちが曲に合わせて踊る姿が話題になり「血界戦線EDパロ」「踊らせてみた」などの二次創作も多く投稿されている。

 

先述の通りユニゾンファンの著者はこの曲をきっかけに血界戦線に興味を持ち、視聴するに至ったのである。

 

kekkaisensen.com

 

しかし、そうやって見始めたもののこのアニメの面白さがいまいち分からず、前回は最後まで視聴しなかった。つまらないと思ったわけではないけれど、続きがどうなるのかという好奇心が諦めに負けてしまったのだ。

ところが先日ふと視聴を再開してみたところ、その認識は上書きされ、2,3話だけのつもりが一気にシリーズ終盤まで見てしまったほどに「面白い!」と感じたのだった。

なぜそのように評価が大きく変わったのか。

この記事では、著者が久しぶりに見返してみて「『血界戦線』ってこういう風に楽しむアニメなんじゃないか?」と個人的に感じた見方や楽しみ方を紹介したいと思う。

 

 

 

前回の視聴時に思っていたこと

テレビを離れて見る子供のイラスト(男の子)

私はさほどアニメを見る人間ではない。話題作のタイトルは把握しているつもりではあるし、好きな声優さんが出演していたり主題歌が気になったりすれば見てみようかなと思うけれど、少なくとも「今期はあれとあれとあれを見て~」と張り切って事前に決めたりするほどには前のめりではなかった。

だからといっては何だが、アニメの見方や楽しみ方を十分に理解していなかったと思う。

言い換えれば、見てきたアニメの種類が少ないので自分の型にはまる形でしか切り取ることができなかった

 

例えば、それまで自分が見てきたアニメは(だいたいのバトル系アニメはそうじゃないかと思うが)厳しい修行を重ねて強くなっていく主人公を見守る視点のもの、(こちらはおおよそのアニメに当てはまると思うが)主人公の視点で物語が進行し、主人公のモノローグを交え、葛藤しながら精神的に成長していくものが多かった。

だから基本的に主人公と一緒に物語の世界観や設定がどのようなものかを少しずつ理解しながら見進めていたわけである。物語の進行とともに、理解が深まっていく。

 

そして、その感覚で見ようとしてつまづいたのが『血界戦線』だ。

例えば、

・長い横文字のキャラ(ほぼ全員)をフルネームで覚えようとしていっぱいいっぱいになる(結局覚えられない)

・今どういう状況なのか、前回のストーリーとどうつながっているのか、クラウスさんたちが使う能力はどういう仕組みで働いているのか、能力は生まれつきなのか鍛錬の成果なのか、能力の型のようなものは何種類あるのか、それらは基本複数所持しているものなのかetc...といったことが気になって仕方ない

などである。

 

要は、世界観や設定といったストーリーの根幹になる基本的な部分すらしっかり掴むことができない。しかも主人公はそんな不透明な状況を意外にも最初から受け入れちゃっている。

 

アニメはこれら基礎的なことは理解しておかないと楽しめないという強迫観念のようなものに駆られながらも、アニメ自体もあまり詳しく説明しないから(原作では説明しているのかもしれないが少なくともアニメはそうだった)、話が進むごとに分からないことが増えて置いてきぼりをくらったような気持ちになっていた。そうして、見進めるのを諦めてしまった。

 

 

 

今回気付いたこと

テレビを近くで見る子供のイラスト(男の子)

前回視聴したときと大きく違うのは、それからいろいろなジャンルのアニメに手を出してきたところだ。コメディやショート、途中で世界観が180度変わるアニメなど、それまでの自分だったら見なかったであろう分野にも足を踏み入れた。

そして、ある種悟りのようなものを得た。

それは、「分からないものは分からないままでいい」ということである。

 

 

たしかエヴァンゲリオンの監督・庵野秀明氏がどこかで話していたことだが(曖昧で申し訳ない)、セーラームーンがなぜヒットしたのかについて、世界観にあえて穴をあけておくことだ、というようなことを言っていた。あえて分からないところや明らかにしないところを作ることで、読者や視聴者に解釈や想像で埋め合わさせる、というようなことだ。

 

また、『夜は短し歩けよ乙女』(これは原作から大好きな作品だ)のように世界がSFチック・コメディチックにできていることを暗黙の了解として、道理もそこのけそこのけと言わんばかりにずんずん進んでいく作品に出会った。

このアニメこそ、なんでそうなったとか考えるだけナンセンスである。黒髪の乙女や樋口師匠の魔法まがいのめくるめくアレコレにただ愉快愉快、と腹を抱えるのが正解だろう。

 

 

 

つまり、

①アニメとは(製作者の意図の有無はさておき)必ずしも設定や世界観が全て明らかになっているものとは限らない

 

②それは私たち視聴者が考察して埋めることもできうる

 

むしろ最初からSF的事態が起こることを前提に作られた作品もある

 

と、悟ったのだ。

 

 

血界戦線』に関しては、個人的にはに近いんじゃないかと思う。

 

 

 

それに、”非日常が日常の遊園地”みたいなヘルサレムズロットではいつもどこかから煙が上がり、建物は破壊され車はペシャンコになる。

人も異形も、いつ命を落としてもおかしくない街を何食わぬ顔で行き交う。

この街においては「分からない」ことなど数えきれないほどある。むしろ分かることのほうが少ないだろう。

 

だから、なおさら、分からないことは分からないまま受け入れる、いや、楽しむのが、この街の歩き方なんじゃないかと思った。アニメを見ている私たちは、その視点を共有しているような気持ちになってくる。

 

(割とあるパターンだが)話の初っ端からなぜレオやザップあたりが絶体絶命的な状況になっているのかとか、ライブラのみんなの能力が本質的にどういうものか分からないとか、それすらも「だって、ここはヘルサレムズロットだよ?」と言われたらもう、そういうものとして納得するほかなくなってしまう。

 

 

でも、だからこそというべきか、ヘルサレムズロットの中では人間らしい感情が尊く、輝かしいものとして鮮やかに照り映える

そしてこれは私がこの作品の見落とされがちな魅力なんじゃないかと思っているところでもある。

 

命の価値も軽くなっていしまいそうな街の中で、笑ったり、泣いたり、誰かを想ったりするレオやホワイトたちにはまぶしいという表現が似合う。命を燃やしてる、生きてる、って感じがする。

 

OPのBUMP OF CHICKEN「Hello, World!」の歌詞「ハロー どうも 僕はここ」、先述のED「シュガーソングとビターステップ」の歌詞「大嫌い 大好き ちゃんと喋らなきゃ 人形とさして変わらないし」はなかなか心にくるものがある。

それらは、救いようもない街の中で、たしかに存在していることを証明をするかのように声を上げ続ける彼らのことなんじゃないか。

 

私は、実は『血界戦線』はこちらが戸惑ってしまうほどに力強く生を描き肯定する作品なんじゃないかと思う。

 

 

 

おわりに

ここには書かなかったが、戦闘シーンのババン!と文字が出る演出やおしゃれなBGM、さらりと挟まれるユーモアに富んだセリフなども魅力のアニメだ。シュールな笑いを誘うものもある。これは見てもらわないと伝わらないが、カメラワークや切り替えなどの構成もユニークだ。あと、ソニックという白くて目の大きな音速猿がなんともかわいい。

刺さる人には深く刺さるが、もしかしたら刺さらない人には全然刺さらない作品かもしれない。しかし私のように時間差で「面白い!」と叫ぶ人間もいるくらいだから一度試しに見てみてほしい。同じように以前見たときにはいまいちピンとこなかったという人も見返してみたら刺さったりするかも。機は熟すものだ。

 

 

私はアニメで視聴したが、原作は内藤泰弘さんが手がけたコミックで、現在「ジャンプSQ.RISE」で連載中である。

血界戦線を楽天市場で見る

 

 

※2021年 3月7日 一部加筆修正しました。

メルカリで赤字を出した話

 

フリマアプリのイラスト

大人気フリマアプリ「メルカリ」

テレビなどでもCMをよく目にする認知度の高いアプリであるし、手軽でわかりやすく便利であることから、この記事を読んでいる方の中にも利用されている方がいらっしゃるかもしれない。

著者も二年前からライトなメルカリユーザーで、ときどき本を出品したり昔のCDの限定盤を購入したりメルカリ生活をエンジョイしている。

ところがつい先日、出品したところ題の通り利益が出ないどころか赤字を叩き出してしまったのである

お小遣い稼ぎのつもりで出品し、手間と時間を掛けて赤字など、なんとも痛々しい経験をしたものだ。自戒も含め、その経緯をお話ししたい。

 

 

 

 

なぜ赤字になった?

不用品の処分に困る人のイラスト(女性)

きっかけは不要になった服をどうにかしたいと考えたことだ。

着なくなっただけで特に状態も悪くなかったし、何より捨てるのには抵抗がある。

しかしリサイクルショップなどに持ち込んでも激安の買い取り値しかつかないことは知っていた。

そこで以前からCDやDVD、書籍は出品したことがあり、ノウハウはある程度理解しているつもりだったので「メルカリを利用して服も出品してみよう」と思い立ったわけである。

幸いなことに出品した4着の服が購入された。しかしそのうち利益を出せたのがたったの1着で、なんと残り3着が赤字になる事態に陥った。

 

 

①価格設定が低すぎた

第一の原因は、売値を安くしすぎたせいである。

もともと「捨てるよりはマシ」論で出品していたのもあるが、中古服の相場を十分に調べずに価格を設定していた

メルカリを利用されている方はご存じかもしれないが、例えば「レディース」で検索すると新品や未開封のものが多く出てくる。それらを見た私は、「新品でこの価格なら中古の自分はもっと安くしなければ」と安めに設定したのだが、それがどうも安すぎたらしい。

あとで知ったことだが、「商品の状態」で検索条件を指定して絞り込み検索ができるようだ。

「目立った傷や汚れなし」「やや傷や汚れあり」などで手持ちの服と近い状態のものがどのくらいの価格で販売されているのか検索しておくべきだった。

 

 

②梱包材を100均で揃えた

次に、梱包に必要なものを100円均一で揃えたことだ。

無論商品が傷ついたり汚れたりすることがあってはならないが、やはりできることなら梱包材に掛けるコストは安く抑えたい。

その考えで100均でA4封筒やopp袋、ビニール袋を揃えた。100均が高いというつもりはさらさらないのだが、これらはネットでまとめ買いしたほうがはるかに安い

例えばA4封筒は、私が100均で購入したものは10枚110円であるが、ネットでは100枚523円で販売している(2021年3月現在)。つまり一枚あたりの単価が前者が11円であるのに対し、後者は5.2円と半額に収まるのだ。

 

 

③送料を事前に考慮していなかった

これが一番大きな原因であるが、服をたたんだときの厚みや三辺の長さ、重さ、それらを送るのにかかる料金を事前に確認しなかったことである。

送料を決定する中で最も大きな要因は「厚さが3センチ以内かどうか」である。

というのも3センチを超えると送料は大きく上がる。

私が赤字を出したのもニットなどの厚手の服で、たたんだ際に3センチには収まらなかったため、ものによっては予定より300円以上多く送料がかかってしまった。

三辺の長さや重量も考慮して最安で送る方法を決定し、そこから利益を逆算して価格を設定するのがいいだろう。

 

 

実際の赤字の例

プライバシーの観点で写真は掲載できないが、著者の出品した服がどのように赤字になったのか実際に説明しよう。3着のうち最も分かりやすい、UNIQLOで購入したパーカーを例として挙げる。

上記にまとめた原因と照らし合わせながら読んでいただけたら分かりやすいと思う。

パーカーのイラスト

ボアということもあって厚みも重さもそこそこある。当時測りが家になかったので具体的に何グラムなのか分かっていなかったけれど、なんとなく厚み的にちょっと高めに送料がかかりそうだなと思って800円に設定。現在同じものを検索すると1000円~1100円あたりが相場のようで、安いものでも900円前後だから、やっぱり急いで売るわけじゃないなら安すぎたと思う。

ありがたいことに出品した翌日に購入していただいた。

 

早速梱包作業に取り掛かる。あれ?3センチってこんなに薄かったっけ...?

どうがんばっても3センチには収まりそうもなかったので、他の発送方法を検討。

5センチにも収まらないので宅急便コンパクト(450円)は不可能。7センチにも収まらなかったのでゆうパケットプラス(440円)も駄目。そもそも体積が大きいから厚みの条件を満たしてもサイズオーバーする。

 

サイズを測ると60サイズを超えていた。そのためゆうパック(700円)も宅急便(700円)も使えない。重さを測ると500グラムを超えていたから定形外(510円)もアウト。

 

結果、定形外(710円)が最安ということになった。

なお、メルカリは販売手数料として10%引かれるので80円マイナス。

100均で買ったpp袋(服を直接入れる袋)は、一枚あたり11円

このままでは送れないのでさらに洋服を購入したときのきれいな袋や紙袋で梱包。

今やレジ袋有料であるので袋には5円(10円)かかるし、紙袋も店によってまちまちだからカウントしないけれど、手持ちのものが一つ消費されたわけである。

 

よって利益は高めに見積もっても 800-(710+80+11+5)=-6 となり、これに加えて梱包したり郵便局へ足を運んだりする手間や時間もかかったわけである。この数字を出したときにはさすがにちょっと呆然とした。

 

 

 

まとめ

 

楽しいインターネットのイラスト

 

 総じて、今回の経験から学んだことは

 

・出品するものと似た条件のものを調べて、価格相場を確認すること

・梱包材はまとめ買いするなどして安く抑えること

・商品のサイズや重さを測り、発送方法を把握して、逆算的に価格を設定すること

である。

 

メルカリにはある程度慣れているから、という自負と油断も相まって招いた赤字であったけれど、もし読んでくれた方が私の二の舞にならずに済んでくれたら幸いである。

私自身もこの経験から学んだことを生かして今後もメルカリライフを楽しんでいけたらと思っている。

優しくて、あたたかくて、少し寂しい ― 大好きな作品『夏目友人帳』を語る回

小さい頃から時々、変なものを見た。

他の人には見えないらしいそれらは、おそらく妖怪と呼ばれるものの類。

 

 

先日、映画とその舞台挨拶のライブビューイングを見に行った。

その作品は十年以上前からアニメが放送され、第六期と番外編、二度の劇場版が製作された大人気シリーズである。

 

 

その名も夏目友人帳

 

www.natsume-anime.jp

 

 

著者は作品の名前やトレードマークの猫(?)のことはずいぶん前から認知していたのだが、先月末たまたま視聴する機会があり、そこで初めて『夏目友人帳』の世界に触れることになった。

この一年は家で過ごす時間が増えてずいぶんな数のアニメを見てきた私ではあるが、この作品の唯一無二の魅力に囚われ、たった一週間でシリーズをすべて視聴し(つまり、六期分+αを見たということである)、先述の通り映画館にも足を運んでしまった。

我ながら驚きを隠せないほどのハマりっぷりである。

 

今回は著者をもあっという間に魅了した夏目友人帳の良さを広めたい一心で記事を書くこととした。

 

 

 

あらすじ

小さな頃から妖怪と言われるものの類が見えた夏目貴志。それゆえ周囲の人間からは気味悪がられ、「嘘つき」と疎まれてきた。幼いうちに両親を亡くして親戚の間をたらいまわしにされ、友人もなく、人間にも妖にも心を閉ざし切っていた孤独な過去がある。

ある時妖から逃げた先の神社で、招き猫のような姿をした妖怪・(まだら / ニャンコ先生)の封印を解いてしまったのをきっかけに祖母・レイコの遺品「友人帳」の存在を知る。

祖母も同じく妖を見ることができた人で、友人帳とは妖に勝負を挑み勝った証として妖の名前を書かせた紙の束のこと。名前を書かれたものに強い拘束力を持つもののようである。ゆえに、夏目は友人帳目当ての妖によく狙われるのだった。

死後友人帳を譲り受ける約束で用心棒になったニャンコ先生とともに妖へ名前を返していく中で、夏目は仲間や大切な人たちとの絆を深め、出会いと別れを繰り返し、さまざまな想いに触れていく。

 

 white and orange cat on brown rock

猫チャン。


 

 

夏目友人帳のここが好き!

キャラクターが魅力的

夏目は悲しい過去を背負っているが、お人好しなほどの優しさは健在で、今の自分を取り巻く仲間や大切な人たちとの平穏な日々を守るためにはどんな苦労も厭わない。

物腰が柔らかく達観したようなところがあるが、案外頑固だったり無邪気だったり、子どもっぽい面も見せる。

人間と妖のはざまで悩み、揺れ動くこともあるが、誠実にひとつひとつと向き合って自分なりの答えを出そうとする姿には毎度勇気を与えられる

余談だが、妖からよく狙われる割には呪術などの身を守る術を一切持たず(これも行き過ぎたお人好しな性格故か...) 、うわあー!と叫びながら正拳突きかまして逃げ去るという原始的な方法でこれまでもなんとか修羅場を乗りきってきたようだ。信じがたいが意外とそういうシーンがよくあるもんだから、著者は夏目が豪運の持ち主なのではないかと密かに思っている...。

 

 

夏目の相棒・ニャンコ先生は自称用心棒であるが、しばしば自由奔放・能天気な性格で夏目を振り回す。

食い意地が張っていて、よく夏目に食べ過ぎだと叱られている。三期ではそれまでと比べて重量感が増して描かれるようになったことを夏目役の神谷さんが指摘しているほどだ(夏目の肩に乗っかっていたニャンコ先生が、三期からはおしりがズリッと垂れ下がっているんだとか...)。

ちょっとポンコツだが、人間と妖の両方を思いやる夏目を物好きだと嘆きつつ最後まで見届けてくれたり、斑の姿のときには雰囲気をガラリと一変させ、妖から守ってくれるなどなんだかんだ頼りになる

"プリチー"な外見を自称しているが、大抵は「ブタネコ」「インチキ招き猫」「猫だるま」などと散々な呼ばれ方をしている様子。

 

著者は夏目とニャンコ先生が大好きで、この二人の掛け合いは作品の中でも特にイチオシポイントである。思わず笑ってしまうようなシーンがたくさんある。

 

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優しくて、あたたかくて、少し寂しい

この記事のタイトルにもある表現だが、著者が夏目友人帳の最大の魅力だと考えているのは、観終えたあとに優しくてあたたかい気持ちになれることだ。

 

この作品は、誰かが誰かを想う気持ちを繊細に描いている。

妖の願い、妖と人間の間にある絆に加え、友人の田沼や多軌からの理解、西村や北本の深入りしない優しさ、共に暮らしている藤原夫妻からの家族愛など、夏目は多くの想いの渦の中にいる。

夏目自身も心配を掛けないために偶然事情を知った田沼と多軌以外には妖が見えることを隠し通すという、穏やかな日々を守るための決意をしている。

また、友人帳の名前を返すことで、同じ痛みを知っている、唯一血縁の近い祖母の記憶をなぞっているわけだ。

 

また、物語の中では人間と妖という違う世界を生きる者同士ゆえのままならないすれ違いや別れなどが描かれ、やるせなく苦しい気持ちに出会う。

だが、その寂しさや切なさも、それを上回るほどの強く、優しい想いがそっと包み込んで肯定してくれる。また前を向かせてくれる。

 

夏目友人帳は想いで溢れている

 

 

 

好きなエピソード

ここで、夏目友人帳の中から著者が好きなエピソードを挙げたいと思う。好きなエピソードしかない、というほど各回がおすすめなのだが、キリがないので三つに絞るという苦渋の決断をした。

好きなエピソードのほんの一例ではあるが、先述の魅力はこれらを見るだけでも伝わるのではないかと思う。

 

 

①子狐のぼうし(一 第七話)

公式サイト

http://www.natsume-anime.jp/episode/%E7%AC%AC%E4%B8%83%E8%A9%B1%E3%80%80%E5%AD%90%E7%8B%90%E3%81%AE%E3%81%BC%E3%81%86%E3%81%97/ 

 

夏目は学校の勉強合宿で訪れた森で、妖にいじめられている子狐を助ける。それからも夏目が気になる子狐は友人帳を目撃し、自分も子分にしてほしいと頼むが...。

まっすぐで健気な子狐に胸を打たれる。子狐は参の第八話など、のちにも登場回がいくつかある。

 

②幼き日々に(参 第四話)

公式サイト

http://www.natsume-anime.jp/episode/%E7%AC%AC%E5%9B%9B%E8%A9%B1%E3%80%80%E5%B9%BC%E3%81%8D%E6%97%A5%E3%80%85%E3%81%AB/

 

電車で見かけた街がかつて親戚を転々とするなかで住んでいたことのある街だと気づいた夏目は当時を思い返す。幼い頃の夏目と、優しい妖の救済の物語。

 

③蔵にひそむもの(参 第五話)

公式サイト

http://www.natsume-anime.jp/episode/%E7%AC%AC%E4%BA%94%E8%A9%B1%E3%80%80%E8%94%B5%E3%81%AB%E3%81%B2%E3%81%9D%E3%82%80%E3%82%82%E3%81%AE/ 

 

 多軌の家の蔵掃除を手伝うことになった夏目と田沼。蔵にいた妖が多軌の祖父がばらばらに封じた身体を集めようと屋敷中を探し回っているようだが...。多軌と、妖を愛しながらも見ることができなかった祖父と、妖たちの想い。

 

 

夏目が妖を退治したり使役したりすることを生業とする、名取や的場など呪術師たちとの出会いを経てからも物語は一層深みを増す。また、塔子と滋、西村と北本など、夏目以外のキャラクターにフォーカスしたものもあり、見ごたえあるエピソードになっている。一話完結のものが多いので、気軽に視聴できるのもうれしいところだ。

 

 

ちなみに原作は緑川ゆきさんが月刊『LaLa』で連載されている漫画である。最新刊が26巻まで出ている(2021年1月発売)。

楽天市場で見る

 

 

冒頭に挙げた劇場版『夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者』も上映劇場が追加されたので、足を運びやすくなった。

 

anime-natsume2021.com

 

アニメは単にバトルや恋愛ものだけではない。

ぜひ夏目友人帳の世界に触れて、感動体験とともに、アニメ観が塗り替えられる感覚を味わってみてほしい。